歯ぎしりの治療法

なぜ歯ぎしりは治療が必要なのか

夜間に無意識で行われる歯ぎしりや食いしばりは、単なる癖ではなく、口腔と全身に深刻なダメージを与える行為です。その力は日中の何倍にもなり、大切な歯のエナメル質を激しく削り、知覚過敏や歯根破折のリスクを高めます。

また、過度な負荷は顎関節に集中し、顎関節症(顎の痛み、口が開かない)の原因となります。さらに、顎周りの筋肉の慢性的な緊張は、頭痛、肩こり、顔の歪みにもつながります。これらの被害を食い止め、健康な状態を維持するためには、放置せず適切な治療が必要です。

必須の防御策としてのマウスピース治療

歯ぎしりの治療において、最も一般的かつ効果的な対症療法がナイトガードと呼ばれるマウスピースの使用です。

ナイトガードは、就寝中に装着することで上下の歯が直接接触するのを防ぎ、歯や顎関節にかかる破壊的な力を広範囲に分散・緩和する「盾」の役割を果たします。これにより、歯の摩耗を防ぎ、顎関節への負担を軽減します。

重要なのは、市販品ではなく、歯科医院で精密に作製されたカスタムメイドのものを選ぶことです。個人の噛み合わせに合わない市販品は、かえって噛み合わせを乱し、症状を悪化させるリスクがあります。また、近年では、顎の筋肉の過度な緊張を和らげるボツリヌス治療(ボトックス注射)が、強力な食いしばりを軽減する治療法として注目されています。(※自由診療)

根本原因に迫る複合的なアプローチ

マウスピースは被害を軽減する「防御策」ですが、歯ぎしりそのものを止める根本治療ではありません。歯ぎしりの真の原因は、ストレス、睡眠障害、日中のTCH(歯列接触癖)、そして噛み合わせの不調など多岐にわたります。

真の治療ゴールは、マウスピースによる保護と並行して、これらの根本原因にアプローチする複合的な治療にあります。

生活習慣の改善:ストレスマネジメント、カフェインやアルコールの摂取制限、日中のTCHを意識的にやめる訓練。

噛み合わせ治療:噛み合わせのズレが大きい場合、矯正治療や被せ物の調整により、顎への不均衡な負担を取り除く。

歯ぎしりの問題は複雑であるため、歯科医師と協力し、生活習慣から見直す総合的なアプローチこそが、長期的な解決に繋がる最も確かな治療法と言えるでしょう。

知覚過敏と歯ぎしり

知覚過敏の原因はさまざまです。眼で確認できるほど歯の形に変化がある場合、早期に処置をしないと日常生活にも支障をきたします。

知覚過敏と歯ぎしり

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